シーズン12 振り返ります

 お疲れ様です。キミタケと申します。二度目のレギュレーションE環境は楽しめましたでしょうか。すっかり冷え込むこの頃ですが、ランクマハートはアチアチでいきたいものです。(?????)

今月は生活との兼ね合いでランクマッチにあまり時間を割けなさそうだと分かっていたので、結果は勿論上を目指すとして学びのある月にしたいなと考えました。そこで普段愛用している対面構築を手放し、サイクル構築を組んでみました。本記事ではその取り組みを書き残します。

強いプレイヤーの強い思考とは程遠いですが、ご覧になる皆様にとって、そしてこれから振り返りをする私にとって、何か有益なものになればなと思います。

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・構築を組む

まず、サイクル構築を組む上でどんな思考からスタートすればいいのかを勉強しようと思いました。そもそもサイクル構築とは何なのか。勝ち筋を追う上で交代の選択肢が多い構築だとは理解しています。だから何だ。行き詰まりました。

とりあえずあまり使ったことがなくて顔が好きなポケモンを使おう!と思い、トドロクツキを軸に据えてみました。トドロクツキは叩き落とすを習得したことで評価が高くなったポケモンで、相手に与える負担の高さがウリです。

シーズン11の上位ではエナジー竜舞型をカバルドン、サーフゴーなどと組み合わせて展開していく構築が注目を集めていたので、ややメタが薄そうな最速鉢巻型にすることをここで決定。殆どのオーガポンを逆鱗で突破出来る点が環境的には一番の強みと言えます。

この鉢巻アタッカーを通すためにシーズン序盤は色々サイクルっぽいポケモンを試してみました。今から思いつく限りクドクドと書いていきます。

まずサフゴを呼びそうで且つ使ったことの無い水テラスのキョジオーンを並べてみました。キョジオーンは竜舞カイリューに勝てるように鉄壁持ちにしてました。

で、HBとHDのポケモンを並べたかったので物理受けのギャラドスと特殊受けのキチキギスを用意したのですが(この二匹はビジュアルが私好み)、私はキチキギスを2匹しか持ってないのでもっと自由に型を弄れるポケモンを使いたいと思い直し、再生力とステロ耐性、型の匿名性、ツツミへの受け出し性能の高さ、叩き落とすなどが優秀なチョッキコジョンド(電車で考えた)を使ってみました。

叩き落とすの選択肢を増やすことでキョジオーンを動かしやすくしよう...みたいな感じです。

いい感じに面白ポケモンで使っていて楽しかったものの、ギャラドスと微妙に相性が良くない気がしたのでギャラを解雇し、新たにHBドヒドイデを雇用しました。

満足気にドヒドコジョンドにトドツキキョジと並べて楽しんでいましたが、残酷にもこの構築が完璧にランドロスの餌だという事実が朧気ながら浮かび上がってきました。

HDランドロスはハバカミに強く環境のニーズに合った万能サイクルパーツだという印象があったのでこれを採用してみることに。威嚇の誤魔化し性能、相手のランドロスは五分と非常に出しやすそうなポケモンです。

ヒドランドの並びはまあ当然というか完璧に強かったんですが、今度は完璧にツツミに弱くなってる事実がはっきりと浮かび上がってきました。

ランドがしっかりハバカミに強いので妖耐性はそこまで重要じゃないかなとの思いからドヒドイデをHBミロカロスにしたり、やっぱりドヒドイデにしたり、キョジオーンの調整を変えたり、色々。悶々と日々を過ごしました。

ここまでの序盤ランクマで見えてきたのはランドロスとトドツキがシンプルに強いという点のみだったので、他の要素を全て解体して再出発を図ることに。

実戦で行き詰まった時は座学に立ち返るべきだと考え、前期に結果を残された上位プレイヤー様の構築記事を見返すことにしました。とりあえずトドツキ入りのを読んでたら、219位の方が記事内でこのような記述をされていました。

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名文です。要はトドツキのような軸のポケモンから必要な要素を持つポケモンを次々配置していけば良いということなのだと理解しました。

確かにトドツキは悪、竜の攻撃範囲なので妖テラスで簡単に止まります。アイへがあればいいっしょ〜と楽観視していたのですが、切り返しのテラスにより生まれた1ターンは当然大きな隙を晒してしまいますね。

そこで、妖に強く出られる鋼、毒の要素を持ったポケモンを探し始めることに。

現環境で採用される印象的な妖テラスはヘイラッシャ、カイリュー、アーマーガア、キョジオーン、アカツキの物理受けテラス、ハバタクカミの一致テラス、イーユイ、イダイトウの切り返しテラス辺りかな〜と思いました。電磁波で切り返しが出来るカイリューと蜻蛉で対面操作が出来るアマガが特に嫌だったので、それらに強そうなサーフゴーを入れることに。初めはアタッカー気質が強く崩しをしやすいCSスカーフ型を考えていたのですが、クッション的な繰り出しやすさ、先に使っていたHDランドロスとの相性を加味して普通のHBゴツメサフゴに決定。脱出パックサフゴや毒々玉トリックサフゴ、いのちのたまサフゴ、食べ残しサフゴなどは語られぬまま歴史の闇に消えます。

とりあえずこの三体(トドツキ、ランド、サフゴ)を固定してみて思ったのは、「あっ、これがカバツキサフゴか」ということでした。アレ何で流行ってんの?ステロ+竜舞エースは分かるけどさあ〜と間抜けに眺めてたけど、タイプの相性がいいんですね。流行りには理由があります。

次に思ったのは、あまりにもパオに弱くないか?ということでした。テラスを切らずにパオに勝てて、電気テラバを1発耐えるくらいの耐久力があり、出しやすいポケモンを求人したところ、ウーラオスとテツノカイナが面接に来ました。皆さんはどちらの格闘家を採用しますか?

パオウーラを意識するならカイナに軍杯が上がります。ボルトチェンジ猫騙しも魅力的です。

パオカイリューを意識するならウーラオスでしょう。型の多さが優秀で、汎用性はこちらが勝りまそうです。

今回はウーラオスを採用。ラオスの方が相手に与える圧力を想像しやすいような感覚があったからです。肝心の型はまあ、襷でもパングロでもスカーフでも良かったのですが、テラス無し+ステロ込みでハバカミやアカツキ、イーユイ、ツツミと対面するシチュエーションが脳内シミュレーションで何度か演算されたので、想定を崩すチョッキウーラオスにしてみました。

残るは2枠です。ここまでで現構築に足りないのは「特定の構築に対するメタ」と「高速枠」だと考えました。まず前者から考えていきます。

もし私がこういったトドロクツキ構築を崩すなら。確実なのはミミッキュによるトリル展開やアロキュウによる壁展開かな〜と思いました。物理耐久の高いアカツキやウーラオスはステロ込みでトドツキを突破出来そうなので、それらを補助する勝ち筋を持った構築に弱そうです。あとはHBキョジオーンにも負けそう。

それらに強いポケモンと言えばモロバレルでしょう。キノコのほうし+パックリフスト、積み展開の切り返しになるイカサマ、草テラスと妖テラスに圧力を与えるヘド爆。初めて使いましたが凄く強かったです。クッションとしての価値は勿論、ターンを稼ぐ動きが出来るので上記の戦術に対して滅法強いと思います。パオやオガポンと対面してしまってもテラスで切り返せますし、天敵ヒードランは減少傾向にありますしね。出しやすい。

最後に「高速枠」です。極端な受け構築やトリル構築でもなければ、最速パオジアンより速く動けるポケモンがいると構築が形になりやすい...と以前考察をしたことがあります。スカーフ込みでS135族を抜けるポケモン(イーユイなど)を高速枠としてピン刺しすると経験値のあるユーザーにスカーフを読まれるので、やはりカミツツミが強いかなと思います。

ここは使い慣れているハバタクカミにしました。

耐久振りベースより速めのカミにした方がスイーパーとして使いやすそう+ミラーに強そうだと思ったので、CSエナジー電気テラスを選びましたモロバレルと組まれているカミは眼鏡を想定されやすそうな雰囲気がしたのであえてズラしてみた感じです。電磁波持ち(カイリュー、カミ、ロトム等)を拒否手段する手段は構築に複数欲しいですし、数あるハバカミの型の中で特別強いとは思いませんが、環境的にはマッチしていると思います。最初は受け崩し特化の黒まな滅び型を使っていましたが、その禁忌の術が使われることはありませんでした。当たらないから別の型にした。結局147戦して受けルは1回しか当たらなかった。(ハイボ級でした)

構築が一応の完成をしたのは11月24日とかでした。慣れない構築を組むのは大変だな〜と思いました。

では改めて個体を簡単に紹介します。

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・トドロクツキ

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最速がいいと思います。終盤は意地パオが増加しており、その上を取れるのは大きな価値を感じました。あとミラー多いし。

テラス鋼は「エナジーなら飛行、違うなら鋼だろ」というレベルで読まれるのがキツいですが、ノマテラ神速に耐性を持てる点がどうしても強いです。読まれすぎているので時にダイスカイリューの前でテラスを切らずに突っ込んだりします。攻撃範囲と電磁波耐性の2つから電気テラスツキも強いと思います。

ツキは型が多いのでこだわり1点読みはされにくいかな〜と思ったんですがパーペキにこだわり1点読みされまくりました。

とても強いポケモンだと思います。特に文句もないです。

ランドロス

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岩投げ上手男です。有利対面で岩封、不利対面で岩封、困ったら岩封と動きます。

挑発を採用することで初手ディンルーとカバ下げに強くなれます。ディンルーは構築にステロが刺さっていないので出されるかはまちまちでしたが、カバ展開はまあまあ刺さってそうに見えるのかよく選出されたので恩恵を受けました。カバ下げに強いということは、カバツキサフゴに強いということです。

炎オーガポンに不利を取らず、スカーフを匂わせて相手に中間択を選ばせる点が激烈に強いポケモンだと感じました。もちろんカバルドンと差別化出来ています。今期はサイクル構築というよりランドロス構築でした。ツキの次に出しています。

SVの準伝環境はステロを初めとした展開要素が非常に強く腐りにくいので、対面サイクルを問わず構築に入れやすい、入れる優先度が高そうです。

・サーフゴー

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昔使ってた普テラの個体を妖テラに変えました。一般的なゴツメサフゴは水テラスが多そうなイメージですが、パオ、悪ウーラ、トドツキに強くなりたかったので妖をお試し。

スカーフもな〜見れる範囲増えそうで強そうなんですけど...あと悪巧みシャドボで電磁波切ってもいいとは感じました。

コノヨがいたら出します。ドヒドがいる時は出したり出さなかったりします。取り巻きに多い火力高めパオは電気テラスだったりラムだったりするので。カイリューが明らかに物理受けっぽい雰囲気を出してたらなるべく出します。モロバレルを出せなくてウーラオスが辛そうな時は出します。

ウーラオス

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この枠がこの構築の悩みどころなんですよね。更新要素はここだと思います。

前期66位の方の調整をパクリました。他のチョッキラオスと比べてもとても使いやすい強い調整です。サイクル構築であってもこういった対面的な駒を入れることで随分動かしやすくなるなと感じました。

ラオスを選んだのもチョッキなのも悪くはないんですけど...もっとな〜別のポケモンにも出来そうではあるんですよ...

モロバレル

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強い。

ウーラオスのスピナーやカイリューの神速を意識するとB特化が強そうだったのでわざわざ作ったんですが、Dに振るとアカツキ入りに出しやすくなることに気づいたので4ヶ月前に作ったモロバレルを引っ張り出してきました。

当然身代わりもラム持ちも呼ぶんですが、持ち前の耐久力と後攻パックリフストによりカバーがしやすいのがイケてます。

ヘド爆切って光合成も強いとは思いますがツキとの相性を優先してヘド爆に。

後攻で動きたいなら個体値落として性格は冷静がいいんじゃと思ったかもしれませんがアカツキに岩封を入れて上から動きたい場面があるかもしれないので素直に王冠使って図太いにしています。あとレイド産なので攻撃は最高です。

リフスト外し→痺れ→最速起きで殴り頃された時は「ステーキにして食べちゃおうかな」と思ったくらい愛着が湧きました。

しかしモロバレルで気になるのは、「コイツがいるってことはサイクルか こだわりエースがいるな」と読まれてるんだろうな〜という事です。

ママンボウとかいると私も同じことを考えます。その分、この子を使う場合読まれても強い構築に仕上げる責任があるのかもしれませんね。

・ハバタクカミ

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語ることもない。とても漢らしいCS特化です。

コンセプト的に上3つは確定として、何故電磁波を採用しているのか。CSならマジフレとかが良さそうに見えます。

これには理由があって、1舞したツキや1スケショしたカイリュー、スカーフイーユイと対面した際に電磁波が安定行動になるからです。特にA上昇エナジーツキ対面でテラス切って2舞目を積んでくるパターンが現環境で多かったです。仕方なかった。

眼鏡イーユイのオバヒ耐えなど多少耐久調整をした方がいいんだろうな...と思いながら使っていました。

 

苦手な構築、ポケモンはスカーフウーラオス、月の光ガチグマ、ヒスイヌメルゴンヒートロトムマリルリ、ビルドエース全般、ドヒドディンルー、受けル全般辺りです。

 

・まとめ

(1)環境を分析しない

サイクル構築を組む上で印象的だったのは、「この環境は終盤こういうのが流行るからこういう対策をして〜」という机上のメタを張らずに済んだ点です。勿論考察はしますが、結局は軸に据えたポケモンが環境に通りやすければ取り巻きを微調整するだけでどんどん潜れるのが好感触でした。その分アタッカーやクッションのポケモンに対する信頼がないといけないので、得意だからサイクル思考を使う、というよりは、環境に刺さってるポケモンを見つけたからサイクル思考を使う、という順序で考えた方がいいのかなと思います。

(2)運ゲーは少なかった

サイクル構築は常に交換読みの択が付きまとうしょーもない破綻運ゲー構築だと偏見を抱いていたのですが、実際は(ポケモン対戦の世界で生きていると必ず発生する運要素はともかくとして)普段使っている対面構築と運ゲーの総量は体感変わらなかった気がします。とんボルチェンなど交換技を次々に発動する構築は偏見通り運が絡みやすいと思いますが、サイクル構築にもカラーがあって、対面的な駒を入れたり、サブプランを仕込んだり、相手の型判別までに行う中間択を読んだり、様々工夫があるんだろうなと感じました。

本構築は電磁波こそあれど運勝ち出来る要素が多くないですが運負けもしにくく、大型連敗が続かなかったのもやりやすかったです。

(3)憎悪の雨が止む時

先月の今頃、私は非常にイラついていました。ご自慢の構築が「何故か」刺さらず、言いたいことも言えないこんな世の中が心底ポイズンだと思っていました。1ヶ月間頭を冷やし続けて、大分冷静さを取り戻せたような気がします。やはり(実際はどうあれ)勉強になっているという実感の元プレイ出来たのが精神的に良かったです。今後の構築で交代を組み込んだ勝ち筋を見つけやすくなるといいなと思います。

シーズン1から毎シーズン構築の軸を変え、レンタルを使わず潜り続けています。今月はオリジナリティのない構築になってしまいましたが、これも自力を身につけるための有効な筋トレ、実りある瞬間となってくれれば欲しいものです。

(4)敗因

終盤に十分な時間を取れなかったのが一番の原因だと感じています。これは「時間があれば勝ってた 構築も強いし実力もある」と負け惜しみたい旨ではなく、実践を重ねればもっと構築の解像度を高められたし、マッチング含む上振れを期待出来ただろうということです。それは事実だと思います。

ただ、私は忙しいという言葉が嫌いです。時間は誰もが平等に与えられていて、優先順位を付けているのは自分です。ポケモンより仕事を優先せざるを得ないのは私が雑魚だからだと言わざるを得ません。「忙しいから」を逃げ道にせず、真剣に取り組まないと切磋琢磨する対戦相手にも失礼になってしまうかなと思います。

 

以上で今月の振り返りを終わります。

結果を残していないプレイヤーの駄文長文を読んでくださった好き者の皆さんに心から感謝申し上げます。また来月から楽しみましょう。

感想の類、お気軽に反応下さい。

ここまで音読した方がいたらすごいです。

 

文脈皆無の余談ですが、YOASOBIのBiri-Biriが超良かった。聴いてない人は直ちに帰宅しYouTubeのPVを開きなさい。SVの対戦に色々思うことがある人が多いのも分かりますが、このコンテンツが好きです。エンジョイしていきたいと思います。