碧の円盤とスグリくんを振り返ります

 お疲れ様です。キミタケと申します。

先日配信されたDLC後編「碧の円盤」はプレイされましたか?私はしました。そのストーリーに関する感想をまとめていこうと思います。標記の通りネタバレを多分に含みますのでご理解ください。

 

あらすじ

キタカミの里での騒動から早いもので数ヶ月が過ぎたこの頃。オレンジアカデミーの新星サリュは相変わらずバトルに明け暮れる日々を過ごしていた。少しの心のしこりと共に。

そんなある日、クラベル校長と旧知の仲であるブルーベリー学園校長のシアノが現れる。ユルい振る舞いながら食えない雰囲気を醸し出しているダンディーな男だ。何でもオレンジアカデミーからの留学生としてサリュの名前が挙がり、わざわざ迎えに来てくれたそう。

これも何かの縁か…と数秒の逡巡の後に首を縦に振るサリュ。期待も不安も覚えつつ、イッシュへの飛行機に乗り込むのだった。

ブルーベリー学園はトレーナー育成に特化したイッシュ地方の名門スクール。自主性を重んじる自由な校風の元で、生徒たちは日々切磋琢磨しているらしい。海底に馬鹿デカい学校を作る規格外の設計に怯みつつ歩を進めていくと、成り行きでラブリーな女生徒が学園の案内を務めてくれることに。

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桃色の髪の彼女はタロ。お父様がジムリーダーという生粋のエリートで、しっかり者ながらどこか抜けた所もある親しみやすい性格。本人はポケモンの「かわいい」が大好きで、それを追求しているうちに強くなったらしい。特徴的な身振り手振りからは愛されて育った者特有の自己肯定感が何処となく伝わってくる。(サリュの感想です)

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ブルーベリー学園はダブルバトルが主流とのことで早速軽いバトルを楽しむ2人。タロちゃんの提案もあって、サリュは学園の授業に合流させてもらうことになった。

どうやら実践的な授業はポケモンが暮らす自然空間を4つのエリアで再現した超巨大なドームで行っているらしい。スゴすぎてヤバい自慢のドームに案内してもらうと、そこではパルデアでは見た事のないポケモン達が生き生きと暮らしていた。スゲ〜。ちなみに謎の技術でパルデアのテラスタルも再現している。ほんとスゲ〜。

割と田舎者のサリュがウロウロしながら南国エリアに辿り着くと丁度授業が始まるところだった。そつ無く捕獲の課題をこなしてじゃあ次はどうしよっかな〜と考えていると、キタカミの里で交友を深めたゼイユから電話が掛かってくる。中央のエリアにいるから来いって。な、何だろ…

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久しぶりの再会で喜ぶ2人。後ろの個性的な彼女はネリネ、ゼイユとはお友達らしい。

軽く近況を話していると、当然話題はスグリになる。やや口篭るゼイユ。どうやらスグリは最近何やら様子が変わっているらしく…そんな最中、下から声が聞こえてくる。

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そこにはその…以前のスグリからは考えられない荒んだ様子のスグリが。目前の相手に厳しい言葉を投げ掛けている。自分しか目に映っていない時、人は極端になってしまうんですよね、あーあ…辛い…

ゼイユはサリュに「アンタだけは前みたいに友達でいてあげて!」と言葉を掛ける。色々なことがあったんだな…と想像を巡らし大変に苦しい思いを抱くサリュ。そこに銀髪の学生カキツバタが合流。ムカつく頭フワ男ことツバっさんはブルーベリー学園リーグ部の四天王(タロちゃんもいる)の一人でスグリが勝ち上がるまではトップの座に座っていた実力者。祖父がイッシュでジムリーダーをしているそう。

飄々とした態度でダラしない生活を送る留年者だが観察力に長け何だかんだ人望は厚い。でも内面では複雑なアレやソレが渦巻いてるのが見えます!(サリュの感想です)

彼はスグリの暴走でヤバチャになり始めたリーグ部の問題解決のため、スグリと関係があり実力のあるサリュが「ブルベリーグ」に参加し、チャンピオンを目指して欲しいと語る。それは…スグリと戦って勝てって事ですよね…

食堂でそんな話をしてると他のブルベリーグ四天王とスグリもやってくる。気まずい!異例の留学生リーグ参加に意見が割れる一同だが、現チャンピオンであるスグリの一声で参加が認められた。そりゃスグリのことは気になるけど、こんなやり方でいいの〜!?もうよく分かんないよ〜

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全体的に全員辛い状況の中、サリュちゃんのリーグ挑戦が始まったのであった。もう逃げられないのでバトルの先に何かがあると信じて戦います。

ブルベリーグは対戦実績が認められた生徒が上位ランカーの四天王への挑戦権を得て、順不同で4人抜きを達成した者がチャンピオンに挑めるシステムになっている。サリュは事情が事情だからか四天王にいきなり挑戦出来るって話になった。じゃあ各エリアに行きます。

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まずはクイボの使い手アカマツくん。クイボの中には主に炎タイプのポケモンがいる。経験は少ないながら才能抜群の感覚派で、勝っても負けても楽しんだもん勝ちのシンプルな考え方。実家は食堂で料理が得意。タロちゃん先輩が気になっている。

ファイアローの晴れ展開で場を荒らして加速バシャを通すプランをハリテヤマ猫騙しで運良く防いだサリュはそのままペースを握り勝利。次行きます。

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鋼タイプの使い手、ネリネは学園の現生徒会長。規則を重視し、機械のように正確な指示を繰り出す頭脳派プレイヤー。幼少期からトレーナーとしての経験を重ねてきた。ゼイユと交友がある時点で想像に難くないがユーモアのある面白い女性で繊細な感性を持ち合わせている…とカキツバタも話していた。友人ゼイユの弟であるスグリと向き合い力になりたいと考えていて、険しい崖に囲まれたバトルコートでサリュと意志の強さをぶつけ合う。

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ステルスロック+トリックルームで低速エースのメタグロスを通すプラン。通りの良い熱風で対面処理に終始し、鋼テラスハリテヤマで攻撃を受け流して勝利。真っ向勝負でぶつかり合い、ネリネからバトンを受け取る。

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タロのとこに来た。ドリュウズをエースに据えるがフェアリータイプを中心に使うそう。ツバっさんとは何か他の人と距離感違くね?事情はともかくサリュとは全力で戦うし「かわいいが最強」を教えてやるとボールを構えるタロの胸を借りることに。

グランブルの威嚇、エルフーンの壁や追い風、マホイップのデコレーションなどでサポートをし、攻撃性能に優れた妖テラドリュウズを通すプランを採用していた。圧力の低い初手対面を起点にサーフゴーで悪巧みを積み、ゴールドラッシュで制圧して勝利。

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かわいい×かわいいで宇宙を創造した2人は笑顔で別れた。

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最後はドラゴンポケモンの使い手、カキツバタ。「アンタにゃ勝ってもらわなきゃ困るけどオイラも楽しみたいから本気出すぜ〜ぃ」とか言ってた。技範囲が広く対面的な戦術に重きを置いており、ワイドブレイカー、バークアウトなどを交えながらガツガツ殴ってくる。

オトシドリの捨て台詞でサポートしつつアカツキとオーガポンを展開。純粋な殴り合いでブリジュラスを砕き勝利。慣れないダブルバトルではあったがこれで四天王を無事突破した。

余談ですが四天王が皆いわゆる御三家のポケモンをパーティに入れているのがいい。彼らも若きトレーナーとして、主人公として、それぞれの物語を進んでいるんだなって思った。

残るはチャンピオンのスグリのみ。ロビーの公式戦用コートで多くの生徒に囲まれ、2人は静かに向かい合う。彼の柔らかな笑顔、悔しさを滲ませた表情、打ちひしがれてうずくまった姿を思い出しながら、髪をかきあげたスグリの視線を真っ直ぐに受け止める。

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スグリが繰り出したのはニョロトノカイリュー。こちらはマホイップとハリテヤマハリテヤマ猫騙し、ワイドガードカイリューの攻撃を凌ぎ、マホイップは瞑想で集中力を高めていく。攻めあぐねるスグリを他所に溶けるで防御を固めたマホイップに、マジカルシャインを指示する。ハリテヤマの手助けもあり、2体のポケモンを一気に戦闘不能に追い込んだ。

次に繰り出したのはガオガエンポリゴンZ。体力の減っていたハリテヤマを下げ、オーガポンを繰り出す。

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ガオガエン猫騙し、ポリゴンZの破壊光線をオーガポンが受け止め、マホイップがマジカルシャインで2体を突破。残すは2体。スグリはオーロンゲとカミツオロチを繰り出した。

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オーロンゲが壁を貼り攻撃に備える。切り札のカミツオロチはテラスタルを使い今にも攻勢に移ろうとしている。しかしサリュはもうマホイップに攻撃の指示を出し終えていた。

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サリュに勝つため寸暇も惜しみ努力を重ね、弱い自分を徹底的に憎み、思う限り最高のポケモン達を揃えたスグリ。そんなスグリを、パルデア地方には生息しない、ブルーベリー学園にしかいない、小さくて可愛いマホイップで、補助技を使って攻撃するだけの、基礎的で、単純で、ありふれた方法で、倒しました。

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思うところもあったのかスグリにキツめの言葉を投げかけるカキツバタ。彼なりにフォローを考えてただろうし鼻っ面折られてちょっとは冷静になったかよ周り見てみろよってところ何でしょうけど、スグリがずっと苦しみ続けてきた気持ちが可視化された瞬間でもありました。ブルベリーグの皆は一人一人意志を持って頑張ってただけなんですけど、いまのスグリの感情に真に寄り添うのは、やっぱ難しかったんだろうな…でもこれからさ、私達は繋がっていけないのかな…

観戦していた生徒達がコートの周りから去り少しの静かさが訪れると、キタカミで引率を務めた教師のブライアが、サリュ、スグリ、ゼイユ、カキツバタを教室に呼ぶアナウンスが流れる。交わす言葉少なに4人は教室に向かう。一応確認するとブライア先生はかつてエリアゼロを調査しスカーレットブックを書き残したヘザー氏の子孫で、石橋を知的好奇心で突き進むタイプのちょい頼りにならない大人です。

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いまいちデリカシーのない言葉を選ぶブライア先生。いいから要件なんすかと急かすと、念願のエリアゼロ調査の許可が降りた!エリアゼロ探索の経験があるサリュくんが留学で来てるのも喜ばしい!今ここに居るメンバーでエリアゼロを降りてスカーレットブックの真相を明らかにしよう!と興奮を隠せず説明する。

何で今…と思っていると扉が開き、パルデアリーグのオモダカとチリが登場。本当に正式に許可が降りたらしい。何で今?サリュはエリアゼロに何か関係がある…かもとされている「碧の円盤」をオモダカから託される。

ブライア先生は、エリアゼロの最深部の更に下層に空間が存在していて、そこには伝説のポケモンのテラパゴスがいる、と続ける。

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オイラはパス〜したカキツバタ、で、スグリはと言うと、「伝説のポケモン」という言葉に反応し同行を表明する。あーん何で今なんだ…

サリュがかつて仲間と共に立ち向かったエリアゼロの謎、今度はスグリと、ゼイユと共に解き明かすことに。

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叫ぶブライア。碧の円盤をコントロールパネルにセットすると、最深部の更に奥へとエスカレーターが降りる。叫ぶブライア。

道を塞ぐ特殊なテラスタルエネルギーの結晶は、近辺にいる「ステラテラスタル」したポケモン達を倒すことで砕くことが出来ると判明した一行。

ゼイユが結晶付近でブライア先生を野良のポケモンから守り、サリュはその間に鍵となるポケモンを探してやっつけていった。少しずつ、素の姿で話してくれるスグリ。ゼイユとサリュはその姿に微笑みつつも、これから迎える未知の未来に不安を覚えていた。

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遂に最深部に辿り着くサリュ達。そこには小さな結晶体のようなものが鎮座しており、ブライアはそれこそがテラパゴスだと推察する。それを聞き、走るスグリ

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あらゆるタイプの力を秘め、何ものにも成りうる力を与えるテラスタルの純粋な結晶体。その輝きに己の姿だけを映し、本心を吐露するスグリ。サリュを特別たらしめる伝説の力をその手に収めるため、薄い身体の全体重を掛け、テラパゴスを引き抜こうとする。それを見守ることしか出来ないサリュの顔に、結晶の輝きが反射する。

そして引き抜かれた結晶は光を放ち、程なくしてポケモンの姿に変化した。

その青い甲羅のポケモンこそテラパゴス。無垢な瞳を輝かせ歩き出したテラパゴスは、真っ直ぐにサリュの元に向かう。キツい!

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鬼気迫った表情でマスターボールを投げるスグリ。キツい!もう勘弁してくれ!逃げ出したくなったサリュの前でスグリはテラパゴスをボールに収めた。伝説のポケモンの力で再びサリュに戦いを挑むスグリ。まだ準備出来てないよ…と答えると、「俺から逃げないでね」と返すスグリ。そっか…

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岩オーガポンを繰り出すサリュ。テラパゴスはフォルムを変え、不思議な力で攻撃を半減してみせるが、どうにもまだ本来の力を出していないように見える。キタカミに居た時より更に磨きの掛かったツタ棍棒で畳み掛け、テラパゴスとの1体1を制した。

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黙っとれとは思うが同じ感想を抱いた様子のブライア。ただ、テラスタルをさせることで力を解放させることが出来るのでは?とすぐに仮説を立てる。すぐさまテラスタルをするスグリ

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更なる変身を遂げ、迸るエネルギーを目の当たりにし絶句するゼイユ、スグリ、サリュ。ブライアはヘザーの残した真実を前に喜びに震えていた。あのさ…

ヤバいよ!と真っ先に声をあげたゼイユ。スグリはその声に従いテラパゴスをボールに戻そうとするが、大きすぎるエネルギーがボールに干渉したのかマスターボールが真っ二つに壊れる。直に取り返しがつかないことになることを悟ったゼイユとサリュはポケモンを繰り出し、ゼロの秘宝に挑むのだった。

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サリュに敗れ、伝説のポケモンに拒絶され、決定的な失敗を突きつけられ、生の危機にさえ晒されたスグリはもう立ち直れない程のショックを受けていた。立ち尽くすことしか出来ないスグリの前で、サリュのオーガポンとゼイユのヤバソチャが懸命に戦う。

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ゼイユの的確なサポートとテラスタルによって一度はシールドを破るが、今度はこちらのエネルギーを吸収し、シールドを再展開する。

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ヤバソチャが倒れたゼイユはサリュを助けることが出来ない。ここにいるただ1人の身内として必死でスグリを奮い立たせようと言葉を掛ける。でも、スグリにはどうしても届かない。スグリが変わろうともがき続ける日々で、ゼイユもまた彼を助けられず、無力感を感じていたんだろうな…

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間隙を縫い、何とか再びテラスタルを展開するサリュ。ここでサリュが倒されたら、スグリはきっともう二度と立ち上がれない。これまでに出会った沢山の友達や大人達を思い、スグリを思い、サリュは声を張り上げる。

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テラパゴスのテラクラスターが輝き、オーガポンを飲み込もうとした瞬間、サリュはスグリの名前を叫んだ。その声にスグリは拳を握り…

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瞳に輝きを取り戻したスグリはサリュの隣に立ち、オーガポンの隣にカミツオロチを繰り出す。

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「ドラゴンエール」によって張り切るオーガポン。エネルギーの吸収が間に合わなくなるまで棍棒を振るい続け、テラパゴスが体制を崩した隙に、最後の一撃を放った。

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今なら捕獲して落ち着かせられる…思わずスグリを見ると、サリュが捕獲するんだと、きっと本心から背を押してくれた。放ったボールが3度揺れ、テラパゴスがこの手に収まると、今度こそ危機は去ったのだった。

 

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反省するブライアという女。ゼイユが代わりに怒ってくれて助かった。

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ようやく目を合わせて話せたサリュとスグリ。サリュの隣に並ぶことをようやく諦められた、と等身大の言葉を漏らすスグリ。そんなスグリに、サリュは「かっこよかったよ」と返す。

初めて友達と離れ、ポケモンと自分の身一つで向かったキタカミの里。そこで出会ったゼイユとスグリは、あの時自分の意思で首を縦に振らなかったら絶対に会えなかった。ポケモンバトルは楽しくて、きっと最後には分かり合えると思って、スグリと戦って、でもすれ違ってしまった。サリュだって特別なだけの人間ではなく、選択をして、失敗をする人間で、後悔だってあった。でも、ブルーベリー学園に行くことを決め、自分の意思でスグリとまた戦ったのは何故か?それはひたむきに頑張るスグリのことを特別な存在だと思っていたからなんじゃないでしょうか。スグリの気持ちが伝わったからじゃないんですか。サリュ自身が見つけた、隠された宝物だったからじゃないんですか。

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泣き出すスグリ。私(謎の女)も泣いてた。もう大丈夫だよな…

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泣き出すゼイユ。辛かったよね…でも、ここに来て良かったよね…

皆で泣きながら歩いて帰った。サリュももらい泣いてたと思うけど、笑顔にもなれたと思う。

全てが終わってブルーベリー学園に帰還した一行。スグリはサリュを呼び止める。

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スグリが勇気を出して紡いだ言葉がサリュに届いた時、地平線から太陽が顔を覗き、スグリを照らす。光を浴びた友達を見つめるサリュの瞳にもまた、輝きが宿っているのでした。

〜END〜

 

まとめ

私は良かったと思います。

私が後半のDLCで期待していたこと、それはスグリくんというキャラクターが主人公とどのように影響を及ぼし合い、どのような決着を迎えるのかという事でした。碧の円盤の描写は、まさしくその一点に注力されていたのではと思います。主人公のナラティブな感情はそれこそ性別から異なる訳でプレイヤー個人の解釈に委ねられることでしょうが、強さという呪いに縛られたスグリくんがようやく立ち止まれたことには感動を禁じえませんでした。前編から一貫してスグリくんは内省的な自己否定を繰り返していて、自分の中のイメージばかりが膨らんでいるような印象でした。後編の彼は別に前編から変わっていなくて、頑張り続けていただけなのだろうと思います。自分に厳しい言葉を掛け続ける以上、他人に優しい言葉を選べるはずもない。彼はそういう不器用な性格です。自他の境界があやふやで繊細すぎる思春期の心だから、一度自分の内側に入ってきた主人公の影響を強く受けすぎてしまった。私はスグリではありませんが、一貫した自分を持ち続けたいという欲望に関しては強く共感できる部分があります。だから、彼が主人公に涙を見せた今回の騒動は、彼にとって大きな意味を持ち続けると感じます。テラパゴスを倒した後「俺は主人公とは違う、特別な人間じゃないんだ」と改めてスグリが感じたことに不安を感じた方もおられるのかなと存じますが、私はきっと大丈夫だと思います。主人公にとって彼が特別な友達でありさえすればその気持ちが伝わるはずです。主人公から受ける優しさを彼が受け入れてくれれば、彼もまた優しさを自分自身に及ぼし、それを他者に還元して、その繋がりの中で徐々に自分を受容していけるのではないでしょうか。ストーリークリア後にスグリくんは休学してしまう訳ですが、まあ当然のようにも思えます。無茶してきたストレスが祟ったのでは。ゆっくり休んで、その後は本人も言っていた通り沢山の人に頭を下げることになると思います。中にはどうしても許せない!とスグリくんに対して思う人もいるかもしれません。でもそれでいいのかなと思います。心からの謝罪というのは卑怯ですが、自分自身のためにする行為です。過去の自分の行いを見つめるべく、地面を鏡として、頭を下げる。迷惑を被った方からしたら全く都合のいい無意味な行為になるかもしれない、それが謝罪です。その卑怯な行為をする勇気を持ったことが、彼が大人になる為に必要なことなのだと解釈します。後は行動で示すのみです。

ポケモンSVがテーマにしている「宝物」は、あえて言語化すると「ずっと大切に出来るもの」です。ネモにとって、ペパーにとって、ボタンにとって、主人公にとって、お互いと、お互いが経験した思い出は、ずっと大切に出来るもの、宝物だと言えるはずです。それは人生の大きな活力になります。主人公は作中で皆の期待に応え、ザ・ホームウェイを迎えました。その全てが宝物だと思います。しかし、DLCは事情が少し違っていて、前編では一生懸命頑張ったのにすれ違ってしまう、苦い思い出になってしまいました。それを後編のストーリーで乗り越え、自分だけの宝物に出来るかどうか。それがこのゲームで一番大事なポイントだと考えていました。だからスグリを考えるべきなんです。私は個人的にスグリが好きですが、それ以前に丁寧にスグリの在り方を描写することがこのゲームにおいて大切だったのだと思います。

DLC後編のストーリー部分はやや賛否が分かれていて、ともっ子について、テラパゴスについてなど明かされていない謎をそのままにしている点とスグリくんのキャラクター性についての点が主な論点かと思われます。ですが前述の通り、これはバイアスの掛かった個人的な感想ではありますが、結論としては碧の円盤は描写すべき点は良く描写してくれた…と思っています。画面の作りやBGMなどまで言及すればそこも良かったです。最後のシーンのスグリくんに光が差し込むシーンなんかは最高でしたし、テラパゴスのBGMはこれまでパルデア、キタカミで体験した色んな思い出が複雑なフレーズと高度なリミックスで蘇り、戦いの先に希望を感じさせつつも緊張を促す最高のクオリティで完成しています。そういった「良い点」を思うと、私は「碧の円盤は良かった」と言わざるを得ません。わかって欲しい。

なので、まだ描写して欲しかったアレやコレに関しては、また追加コンテンツ有ればいいな〜…とそういう方向で考えることにします。これは意思表明です。

改めてスグリくんのキャラクター性について何すけど〜それよりブルベリの大人たちの方がどうなん?と思うのが正直な気持ちです。ブルーベリー学園は自主性を重んじる名門校ですが、生徒が力を持つあまりチグハグになってしまったのが各生徒にとって不運でした。カキツバタスグリに向けられる批判的な意見は本来教育者である大人達が受け止めるべきです。そこは気になるよね。イッシュはそういうノリじゃないのかな?

まあ…こんな感じです。ポケモンSVは最高のゲームだけど苦しくもありました。

この振り返りは割と自分用に書いている認識ですがポケモンヲタクの皆さんはどんなことを感じたのでしょう。是非何かの形で教えてください。「スグリはしょーもない男や」みたいな感想でも、熱量がある感想なら嬉しい気がします。お願いします。頼む。
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↑気まずい