構築に欲しい要素とは

 お疲れ様です。温い9月の風は何故か私をランクマへと誘います。要はモチベが高いです。最近「構築の点検」というのにハマっていて、人の構築や自分の構築を見ては「あ〜これはちゃんと強い構築の要素満たしてるわ〜〜ン」と息を大きく吸ったり吐いたりして楽しんでいます。もちろん構築のタイプやレギュレーションによってその要素は大きく異なってきますが、備忘録的な用途で思いつく限り残してみようと思います。新たに発見があった場合、素敵なご指摘をいただいた場合、赤文字でどしどし追記していきます。

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↑サムネイル用の暗闇からこちらを見る私

 

(1)身代わり

・電磁波カイリュー、電磁波サフゴ、キョジオーン、チオンジェン、ドヒドイデブラッキー等厄介な絡め手使いの対策になる身代わりは現環境において強い技だと思います。前期に使ったハリーマンが教えてくれました。用途は多いですがやはり補助技を無効にした際のリターンは大きく、相手を限りなく萎えさせることが出来ます。「読まれにくいこと」「Sが一般的な電磁波サフゴより高いこと」「水流連打のダメージを抑えられる」「しおづけで身代わりが割られない」と言った条件を満たしていると汎用性が生まれ強く使える印象です。補助技の拒否が出来る優秀なポケモンとしてサフゴが挙げられますが、サフゴは上振れを狙えるポケモンではないので身代わりの強みとはまた異なってくると感じます。ツツミの高速アンコールとラオスの水流連打が身代わりへの強めな回答ですが、今期は草打点が増えてやや動かしにくそうなのでそれも追い風かもしれません。

最近流行りの優秀な補助技使いとして襷ドラパルトや電磁波エナジーカミがいますが、彼らは吹き飛ばしディンルーなど別途対策を仕込んでおくといいかなと思います。

(2)先制技

なんか迫力のない構築だな?と思って確かめてみると誰も先制技持ちがいないことが個人的によくあります。やはり先制技の圧力によって動きやすさが変わるポケモンは多いので、先制技は構築全体の対面性能を高める重要な要素だと思います。(当然すぎる…)

(3)ステロ対策

BIG6(通称デカロク)は現環境のスタンパを象徴する並びですが、ディンルーによるステルスロック始動を基本的な動きとしています。耐性テラスしてステロ→カタスト→吹き飛ばしとかされるだけで負ける、そんなの許せますか?アンコールを匂わせて交代やカタストを促したり、メジャーな耐性テラスタイプへの打点があるポケモンを選出したり、ミラーに強いディンルーを用意したり(S振りフィラとか)、自分好みの対策を考えるといいと思います。最近はオーガポンに強いコノヨザル、流し性能が高いカバルドンなども流行っていますね。ステロ要員は選出率が高く技やテラスも奇を衒ったものが少ないので、対策を仕込むリターンが比較的大きいと感じます。

(4)受けル対策、ギミックパ対策

構築記事の「受けループとは当たらないことで対策とした。」みたいな一文を見るとグオオオ!ガグオオオオオ!と唸り声をあげてしまうのは私だけではないと思います。当たるって言ってんだろ!ポケモンは辛い時に辛い構築と当たるゲームです。まあ…ランクマは6割勝てば十分。メジャーでない構築を切ってメジャーな構築への対策を厚くする。言いたい事はよくよくわかりますが、やはり多少抗える余地を作るのがリスペクトだと感じます。受けループを例に挙げると、個人的には「ドヒドラッシャラッキー」といった基本選出に運が絡めば勝てる程度の対策があればまあいいかな〜と思います。クレベースがいたら一撃技で崩せないしポイヒガッサがいたらサフゴもTODで捲られたりします。そこまで対策するのは大変なのでまあ仕方ないでしょうか。

(5)高速枠

最近は中速ポケモンの存在感が高まっていますが、S種族値135以上、あるいはそのSラインを抜けるスカーフ持ちの高速枠が一人いると大分選出が楽になる印象です。スペック上速いポケモンは実際の努力値振りがそうでなくても最速を常に警戒させられるので、構築に組み込み得。私個人もレギュBからハバカミを抜いた構築がなく、逆に言うと縛られています。上手い人は高速枠に依存しないのかもしれませんが大したことのないトレーナーはガッツリ高速枠を入れると良さそうです。

(6)びっくりテラス

ポケモンSV対戦の負の側面として槍玉に挙げられることの多い想定外テラスですが、上手く使えるとやはり効果的です。上手なプレイヤーはテラスによる耐性変化や火力変化を加味して数ターン前から勝ち筋を組み立てます。例えば「ラッシャの体力を4割程度削れれば食べ残しの回復込みで眼鏡カミの一貫に入れられる。だから体力が赤のハバカミを残して…」といった具合です。その勝ち筋の追い方はこちらの視点からも伺えます。そういった勝ち筋をひっくり返すには苦しい読みを通したりしなければならないでしょう。

でももしヘイラッシャのテラスタイプが主流テラスのフェアリーではなく、びっくりテラスの毒だったらどうでしょうか。見えている勝ち筋が存在する以上、相手は眼鏡カミでムーンフォースを撃つその時まで行動を変更出来ません。だから相手の勝ち筋に乗って安心して対戦を運べるのです。

強みのはっきりとした妥当な主流テラスを採用すればパーティの安定感が増しますが、時には環境における採用率の低いテラス先を握ったポケモンを用意することで、実力以上の勝利が狙えるかもしれません。

(7)アイドル枠

やはり可愛いポケモンを入れたいです。もう少し言葉を尽くすと思い入れのある、オリジナリティのあるポケモンって感じです。わかりやすい強みとしては予想を裏切れるという点、先に書きましたびっくりテラスと発想は近いと思います。

また、勝ち筋に積極的に絡むアイドル枠を用意することで補完のポケモンを比較的簡単に調節しやすくなり、対戦のフィードバックを得られやすくなるかなと感じます。

対戦界隈ではこういったポケモンを「軸」と呼ぶらしいですが、私は「アイドル」あるいは「スター」と呼んでいます。

(8)天然対策

明確なコンセプトのある構築でなければ、有利対面を作って積み技を使う、いわゆる積みサイクル的な勝ち筋を採用している場合も多いのではないかと思います。その際障害となるのがヘイラッシャ、ドオー、ラウドボーンの受け出しです。私はこれをヘラヘラ受け出しと名付けています。(無駄になった積み技をヘラヘラ笑われているような気持ちになるため)あくびによる流し、地割れによる交代への圧。単純ながら強力な選択肢です。

これら天然ポケモンの典型的な動きに対応出来る要素があるといいかなと思います。例えばラム電気テラバパオ。例えばカタストパオ。例えば眼鏡サフゴ。例えばりゅうせいぐんカイリュー。例えば身代わりアンコマリルリ。逆に言うと積みの対策で天然ポケモンを使う場合は、こうした対策枠の存在を考慮する必要がありそうです。

 

思いついた順に書いてみましたが、他にも構築の点検に役立つ「要素」があるかと思います。こうした要素の把握に努めることで、構築の完成度を複合的に高めていきたいものです。

以下はやや余談となりますが、ある方に紹介していただいたブログに次のような記述があり、感心したのを覚えています。言語化がすごく丁寧です。

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私は現時点では対面構築に分類される対戦上の思考を好んでいるのですが、まさにこういった「役割を複数持つポケモンの組み合わせ」によって構築、選出を形作っているんだなと思いました。

勝ちという結果が残ることも当然楽しいですが、「これ強いんじゃね!?」とポケモンをこねくり回し、対戦を通じてコミュニケーションを図れるのが一番楽しいです。

あまりシーズンの結果に拘泥せず、自分の満足を追求する姿勢を大切にしたいと思っています。