ネタバレ スグリくん萌え

 お疲れ様です。先日配信されたDLC、「碧の仮面」はプレイされましたか?私はしました。その簡単な感想を残しておこうと思います。

ネタバレに該当する情報がありますので、各々で自衛いただけるようお願いします。

 

〜あらすじ〜

オレンジアカデミーの新星サリュちゃんはある日突然林間学校のメンバーに選出される。舞台はパルデア地方の外、キタカミの里。ポケモンバトルで有名なブルーベリー学園の生徒達と交流し、様々な経験をすることになったのだ。突然。

出会ったのはゼイユ、スグリ姉弟。やや感情的だが案外気のいいゼイユと、引っ込み思案で笑顔の可愛いスグリの2人はキタカミの里出身。一悶着あった後、ポケモンバトルを通じてサリュと姉弟は友人になる。

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2人1組で各地にある看板を見て周りキタカミの里の歴史を学べ、という課題を課せられたサリュ達。スグリとサリュはペアになり、「鬼とともっこ」の昔話を読む。聞くところによるとスグリは昔話の鬼が好きだそう。孤独で周りには敵ばかりでも、確かな強さを持っていた鬼。自分に自信の無いスグリは、鬼に理想の自分を重ねているのだろうか。(サリュの感想です)

少しずつお互いのことがわかってきた頃、姉弟とサリュは里の催し「オモテ祭り」に参加する。

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賑やかな屋台の先、ちょっと静かな拝殿の近く。サリュはきらきらと目を引くお面を被った、不思議な誰かと目が合う。そこにたまたま居合わせたゼイユ。山へと続く階段を進もうとするその誰かに2人は声を掛けた。すると動揺からか小さな身体に見合わない大きな仮面が外れ、2人の手元に落ちてしまう。どうやら仮面の持ち主はポケモンだったようだ。仮面を落としたポケモンはそのまま走り去ってしまった。

サリュとゼイユは例のポケモンの正体が昔話の鬼なのでは?と考え、伝承に詳しい姉弟の祖父に話を聞きに行くことを決める。その間スグリには黙っていることにした。スグリに話すと興奮しちゃって大変だろうし…

翌朝、祖父は仮面を見てムムムと額にしわを寄せる。鬼…オーガポンさまは、まだ人里に来てくれていたのかと。ある仮面職人の後裔である祖父は、里に伝わる物語の真実を知っていた。英雄だと思われていた「ともっこ」は性悪しょーもな強盗ポケモンで、悪者だと思われていた「鬼」は彼らによって命を奪われた主人のために戦っただけだったそうだ。こりゃ可哀想だ、仮面は返してやろう、ちょっと傷がついてるから直してから返そうと心底思ったサリュとゼイユ。そんなこんなでコソコソ奔走していたのだが、陰で話を聞いていたスグリはそれを知っていた。鬼さまを慕っていた自分だけが鬼さまに会えず、仲間はずれにされている。そんな疎外感を感じていたスグリは、溜まっていた不満を爆発させてしまった。そんな不幸なすれ違いの最中に突然光の柱が立つ!!!!!!!!何で???????????呆気にとられるサリュ達の前に現れたのはイイネイヌ、マシマシラ、キチギスの畜生3匹。ぶっ殺されたカス共は何故か今になって復活を遂げたのだ。何で?復活して即3匹はオーガポンの元へ復讐に向かう。何やってんのということで一行はオーガポンの住処へと急ぎ、窮地を救うことが出来た。

その後3匹は保管されていた「オーガポンのお面」を持ち去り、パワーアップを図りつつ散開しやがった。もう乗りかかった船だし畜生がデカい顔してるのは腹が立つので、オーガポンのために仮面を取り返し、改めてぶちのめすことを決める。ここにサリュ、ゼイユ、スグリ、オーガポン4名による「お面取り戻し隊」が結成されたのだ。早速畜生達の住処に行こうとサリュとゼイユはスグリに声を掛けるが、スグリは思うところがあるようで2人には同行しなかった。
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その後無事3匹を処刑したお面取り戻し隊。良かったネ〜とオーガポンを可愛がっていると、スグリは「里にオーガポンを連れてきて欲しい」と訴える。どうやらサリュ達が動いている間、スグリは里の人々に伝承の真実を伝え回っていたのだった。正直祭りが出来りゃまあいいか!という空気感だった里の人々は意外にもあっさりと新たな真実を受け入れる。オーガポンはようやくキタカミの人々に受け入れられたのだった。

さてこれで一件落着、と思いきや、そう簡単な話では済まなかった。どうやらオーガポンはかつてのように一緒にいてくれる相手を欲していた。人との絆を力に出来るポケモンだった。そしてその相棒に選ばれたのはサリュだったのだ。

特別で、強く、鬼さまに選ばれた、スグリと友達になったサリュ。自分が大切にしてきた「孤独で強い」鬼さまが、まさにその手の内を離れようとしていた。自分にはない「持っている」サリュに一度でも勝ちたい。挑まずには納得出来なかったスグリは最後の勝負をサリュに申し込む。オーガポンはそれを不思議そうに見守るのだった。

サリュは歴戦の戦士であるデカヌチャンを繰り出し、有利対面と見て投げられたグライオンの前で飛行テラスを切り剣舞の起点にする。次に出てきたダイノーズ(特性:がんじょう)をかたやぶりデカハンマーで粉砕すると、最後の砦であるカミッチュをじゃれつく1発で葬り去り勝利した。

スグリは「わかっていた」と呟き、涙を流しながらオーガポンの新たな旅立ちを受け入れる。ほろ苦い終幕となったが、これでようやくキタカミの里の物語は決着を迎えた。

ブルーベリー学園の生徒と引率の先生は先に帰校することになったが、キタカミの里での林間学校はまだ続く。新たなポケモン、人々との出会いが、サリュとオーガポンを待っているのだろう。

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✨〜fin〜✨

 

・感想

すごくいい…………………………………と思いました。

やはり私が気に入ったのはスグリくんのキャラクターです。無根拠な自信に溢れ、粗野なところがある姉のゼイユも世間知らずな感じが可愛くてキュートなのですが、スグリくんはそのお姉さんの陰に隠れ、自信を得られないフラストレーションを抱えて生活してきたのだと思います。もちろんゼイユはスグリくんのことを大切に思っているんですけどそういう面を表には出しませんから。祖父母の様子を見るにスグリくんは胸襟を開ける同じコミュニティの友人や頼れる大人が周りにいた訳でもなく、だからこそ1人で多数を相手に大立ち回りする力強い鬼に自分を重ねてたんでしょうねえ。まずそこが可愛いです。自分のことにいっぱいいっぱいで、周りを気遣える余裕のない、どことなくやり場のない不安を抱えた状態。それが物語直後のスグリくんだと推測します。そんなスグリくんにとって林間学校は正直憂鬱なイベントの1つだったんだと思いますが、強い姉をあっさり倒してしまう主人公の強さに魅力を感じて、成り行きながら一緒に時間を過ごすうち、くすぐったい友達の空気感を感じて嬉しい思いを重ねていったのでしょう。スグリくんは主人公が感覚を分かち合えるもっと近くて特別な存在になって欲しいという気持ちをぼんやりとではありつつ持っていただろうと思いますよ。完全に想像ではありますがこれは明らかなことです。でも、その主人公が姉と一緒に自分に隠し事をしている。しかもそれが鬼さまの話なんですから冷静じゃいられませんよ。その感情の不安定さが最後まで彼に付きまとってくる訳で…いや、すごくいいです。少し露悪的な言い方になってしまったら恐縮なのですが、精神的な負荷が掛かっている人はいつも魅力的です。誠実に、切実に人生を生きれば、生きるというのは苦しいことなんですよ。なのでテラスタルのようにキラキラするんですね。話が逸れましたが、その心の内に渦巻く不満や思い、しなくてはならない決断を、スグリくんはポケモンバトルに委ねるんですよ。それがまたいい。ゼイユや主人公、それからネモのように、ポケモンバトルを楽しむことは出来ないんですよ。自分の中の感情をポケモンバトルの勝敗に委ねてるんだから。だから負けたら心が晴れない。だからもっと強くなりたいと考える。負のループに陥ってしまっているんですね。そこがいいな!と思いました。苦しそうで。よくスグリくんは「自分勝手で子供すぎる」みたいな評価を下されているのですが、彼の心情を慮ると、むしろ一生懸命に自分を抑えて頑張っているように思えてなりません。もし彼に寄り添える大人がいたら…と思えてなりません。可哀想ですごく可愛いです。この先のストーリーで彼の葛藤がどのように決着を迎えるのか、大いに期待が高まります。以上です。

その他の感想ですが、オーガポンのBGMがすごく好きです。スグリくんのことはテーマからしっかり切り離されていて、純粋にオーガポンの抱くこれまでの思い出やこれからへの期待を感じさせる素晴らしい音作りになっています。スグリくんのことを思いながらあえてスグリくんのBGMではなくオーガポンのBGMを聞くとなかなか楽しいので、是非お試しください。